「一心に見つめること、人の念力は小石を黄金に変える。」
私の好きなことばです。
お香に全神経を集中して、究極の香りの美を追求して下さい。
練香擬(もどき)、匂い袋擬を作ってはいけません。
調香は「さつき五月雨(さみだれ)蓬(よもぎ)に菖蒲(しょうぶ)」のように重層的な考え方が必要です。
香司は「香」を仲立ちとして、全生涯をかけて生き方を学び、生き方に限定はないことを知ることができます。
香司の試験を終え、卒業制作品が返却のときに先生よりご講評をいただいた。
共に学んできた生徒全てにくださった言葉。
どのような素材にも生かすべきことがあり
ただ囁く存在に耳を傾け、集中しなさい
そのものの本質に触れるのです
そのものの奏では響き
すべての楽器を聴き分けることができるようになるくらい
心を込めてそのものを慈しみなさい
それらを総べるときに妥協は許されない
無限の調べに己を解き放ちなさい
教わったことも
学んだことも
全てを取り払い挑戦し続けなさい
終わりのない交響曲
私たちは香りを通じて人生を調合し
永遠に自由を生きる