together with global breathing

こころが動いたことを綴ります。永遠に地球が平和でありますように。

2021年、春に寄せて

季節の長さはどこではかるのか。

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東京では早くて三日で桜が散りはじめ

そのあとは雪崩を打ったように木蓮やつつじなど

同時に咲き始めて一気に春感が増していた。

そして夏日を記録するGWなど

初夏から梅雨にかけても季節は生活を駆け抜けていたっけ。

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ここでは急に減速して季節はたたずむ。

日の出の位置が日ごとに東へ東へ一歩ずつずれるにつれ

明かりの時間が長引くために余裕が出るのか

まるで道草を食ったように春がゆったりとくつろいでいる。

立ち止まり空を見上げ風をほほにうけたとき、

肺の底まで吸い込んだ香のなかに

うっすらと残る沈丁花の甘い誘惑を味わいながら

まだ菜の花もタンポポオオイヌノフグリ

葉が増えてきたフクジュソウさえ黄色味を残すような時間軸。

桃と桜が一緒に開花しピンクの競演を見せながらも

明らかにここでは季節は背伸びしながら散歩している。

若草が徐々にグランドを覆い

棒のような茎の先端に噴水のごとく葉を放ち

黄緑色をBGMに待っていたかのような

ゆるい春色がもっともっとゆっくり展開している。

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そうだ、こうやって

ゆっくりゆっくり

寒くて縮こまってやり過ごした冬から

背骨の一つ一つを離すように

温まりながら手足を広げていたんだっけ。

実りの時期を迎えるまでのスタートを

焦らず気負わずだれとも比べず

身体と光と歩調を合わせながら

目覚めていったんだっけ。

これぞ春の醍醐味。

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彼らなりの秩序にほれぼれしながら

恵の森に心を躍らせる。

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どこにいてもどんな生き物もみな美しい。

ただ、今年は別格に春を長く堪能できていることは得難い幸せ。

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かさかさと葉を規則的に踏む音。

鳥にしては重い。猫かな?と思いきや

丸々と越えた雄の雉。

至近距離でみるスタイリッシュな色味とデザインに息をのむ。

悠々と去っていく姿は怖いものなし。

ここあたりで雉打ちなんぞ誰もせんぞいね。

天下とったお姿にうっとり見ほれるのでした。

 

しばらく山をおりると

ガサっ、ドス、という音がして

アスファルトの道路に影が横切った。

人家が近いし猫かな?と思いきや。

低姿勢の四つ足動物がスルスルと・・

細い川を渡って私を笹の陰から見下ろしている。

スレンダーな狐が警戒心を込めてじっとしていた。

しばらく見合いっこして

これまたゆったりと竹やぶに消えていったのでした。

 

山に入るとかならず会う蛇には今回はであえず。

野生動物と一緒に暮らしているんだという意識が高まった。

 

どうか車に轢かれないでいてくださいね。

この道は抜け道でみなさまぶっ飛ばしていきます。

私も早朝から夜まで車の音と排気ガスには困ってます。

住んでみないとわからないことって意外にあるものです。

 

そんなこんな

リンゴ畑にも芽吹きがやってきて。

クラブアップルの花期はもう少し先ですが、

こちらもそばにいるだけで清まる思いがしました。

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