年も改まり、睦月。
予想通りの寒さにおいうちをかける寒波。
田畑からは霜柱がせり出し、山頂にかかる雪雲は重く動く様子もない。
凍り付いて開けられない窓から見える空には、途切れることなく雪が舞っていた。
今回の滞在は6泊7日。うち、1日は下野の仮設住宅へ、1日は休日にした。
マッサージは全部で40名施術(うち、仮設では9名の方を施術できた)。
「お年賀」として、アロマ石鹸を仮設で施術した方へお配りした。その提供はgattoさまより。ありがとうございました。
現在のところクラウドファンディングは寄付なし。
同行のℱさんはタイ古式マッサージをさらに深めるべく新たに習い始めており
今回の施術でもストレッチに新しい方法を取り入れていた。
オイル、リフレ、ヘッド、さらに彼女の技術が向上することで幅広いケアが提供できると期待。
私はアロマセラピストです、と銘打っていたものの、限られた時間を充分ケアに充てるときは
一番にトクセン(木槌を使ったタイ式のマッサージ法)を選んでしまうため、「トントンする人」という認識のようす。
兼ねてから雪対策、寒さ対策を意識していたけれど、想像以上に南阿蘇は寒かった。
部屋を暖房で温めるのだが、どうしても時間がかかってしまったり、洗濯ものが乾燥をかけてもなんとなくひんやりしていたり。
朝晩は道路の凍結があったが、スタッドレスの車にしたので安心して出かけることができた。
ボランティアで仮設住宅でのケアをつないでいただき、今回は一日滞在ができた。
事前に予約表を仮設の公民館に張っておいた、とのことだったが前夜の強風で吹き飛ばされており
予約状況がまったくわからないままマッサージスタート!
天井の高いできたての公民館は一部が畳敷き、一部が大きなテーブルとイス、広いトイレが一か所、簡易キッチン、とコンパクトな仕上がり。
畳の部分に座布団を引いてマット代わりにしたが動いてしまったり(てっきりベッドマットがあると思っていた)
掛物がなくて(てっきり毛布ぐらいはあるものだと思っていたので持参せず)着ていたダウンジャケットをかけたり
ペットボトルで湯たんぽを作ったり、即席の工夫でどうにか形を取り繕った。
予約時間を覚えていてくださる方は時間通りに来られたり、お電話や公民館の前を歩く人に声をかけたりして
夕方までほぼ途切れることなく9名の方が足を運んでくださった。
地震で天井が落ちてきて頭を挟まれた、など当時のことを詳細に話される方から
今の生活や長い今までの人生を語る方から、うとうとされるかたも。
ガチガチに固まっている方もいらっしゃれば、フニャっとからっぽな感じの方、まだごちゃごちゃとしている方、
皆さまがそれぞれのままで来てくださった。
なんだろう、髪の毛穴が引き締まるような思いで一日を終えた。
お掃除をして片づけ、外に出たら何筋もの龍雲がでていてようやく息ができたような気がした。
初めてまとまった時間と人数を仮設で行ったので、今後の改善点や持ち物などたくさんの課題が見えてきて
何事も一歩一歩なんだなあ、と改めて関わる意義を見つけた気がした。
仮設住宅での外部からの活動依頼は簡単じゃない。
ニーズがまずあるのかどうか、どこからそれを拾うのか、どんな形で顔を知ってもらうのか、安心してもらうのか。
活動場所をお借りするのも、管理してくださる方や使われる方の信用もいただかなければならない。
そのためには、こつこつした地道な関係作りが不可欠で、自然と実績になるようなことを続けることが必要になる。
ここのご縁があったのも、今までがあったからだなあと
いつも受け入れてくださっている方々、サポートしてくださっている方々に、感謝の気持ちがじわじわとあふれてきた。
おおむね施術を受けられた方々は、きもちよかったよ、とおっしゃってくださった。救いです。
6月から継続してきたケアサービスセンターのスタッフの方々は、もう慣れてくださって挨拶もそこそこでスタートできる。
そして今回特に痛感したのは、みなさんの変化。
体の反応はもちろん、表情や、声、どれをあげても半年前とは大違いだったということ。
始めてうけてくださったかたは強い好転反応に戸惑い、困ったこともあったけれど
おおむね続けて受けてくださっている方の健康状態はキープ、もしくは少し上向きな印象だった。
(ちょっとドヤ顔)
皆さんの中にもちいさな春が、始まりが、皆さんのペースで花ひらいてゆきますように。