together with global breathing

こころが動いたことを綴ります。永遠に地球が平和でありますように。

曼珠沙華

秋の代表格の花といえばこれ。

謡曲のタイトルにもなったり、そこにただ一本咲くだけでガラリと雰囲気が変わる。

最近は白いものも多く見かけ、紅との交雑なのかストライプがはいっているものも。

 

他の一年をまったく地表に気配を悟られないように過ごしながら

ある一定の条件がそろったら一斉に大地をつきあげるように伸びてくる。

一糸乱れぬ吾咲かん!の強い意思。

地下でだれが合図の引き金を引くのか競うように生えそろう。

 

 

開花のメカニズムはまだわかっていないらしい。

秋になると桜前線の逆バージョンで北から吹き下ろすように咲いて南下する。

花のあとに葉がのび、他の草が枯れる冬にしっかり太陽を浴びて球根を太らせる。

やがて春になり葉が枯れ、夏はぐっすりお休み。冬眠ならぬ、夏眠?

 

その辺で良くみるものは三倍体で種を付けないから同じ遺伝子を持つクローン。

そういうところもソメイヨシノに似ているのかな。

春と秋に花咲き乱れるイリュージョンの洗礼をうけ

大地はお彼岸をさみしく無いように彩っているのかも。

 

 

別名の多い花でも有名で、1090も呼び名があるとか。

生け花やお茶席では飾らないことは常識だったそう。

あの眩しすぎる存在感がそうさせたのかもしれない。

海外では人気だそうで、リコリスと呼ばれている。

 

球根はアルカロイド系(神経毒)の物質を含みそのまま食べたら猛毒。

虫よけや家庭医学にも使われていた。

水に十分さらせば食用できる。でんぷん質が豊富で。

お米のとれない年はそうしていたのではという。

室町時代あたりから記録が残っているとか。

 

毒があっても球根が土壌を強くするため田畑のあぜに好んでうえられた。

害虫や護岸の意味もあった、先人の知恵。

 

香りが、あんまりしないのよね。

土葬のときにも植えられたというから

その色とは裏腹に自己主張はおひかえなすったのかな。

 

曼珠沙華サンスクリット語で天界に咲く花という意味。

めでたい兆しに空から降ってくるそうな。

こんな赤い花がふわふわ降ってきたらびっくりだろうな。

 

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