together with global breathing

こころが動いたことを綴ります。永遠に地球が平和でありますように。

2021年の春、気づいたこと、など

ぼっとしてる間にどんどん季節は巡っていく。

同じように駆け抜けていくのも気持ちがいいけれど、

初めてここで迎える春あれこれを書き留めておこうと思う。

 

こちらに到着したときの寒さこそ文字通りの底冷えだった12月。

雪道を自転車でかっ飛ばす市民にはびっくりした。

 

あれから半年をすぎて決して氷点下になることはないけれど

陽が上がる前に夜露がおりて冬用ギアを羽織ってでかけることもまだある。

 

最高気温と最低気温の差が10度はある。

秋の山はきっとあでやかに染め上がるだろうと思うと待ち遠しい。

 

河原もお山も一日ごとに黄色から黄緑、緑へと新芽や葉を伸ばし

こんところにこんな植物がいたのね!と歓声をあげるときもある。

都内より遅れて咲くので出会えないと思ってあきらめていた分感激もひとしお。

そのスタベ。

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まさか河原に群生してくれるなんて、

まさか枝垂桜の根元にまとまって咲いててくれるなんて、

まさか隣の平屋のおっさんが植木鉢に植えててくれるなんて!

どこにどんな風に芽生えてくるかしっかり記憶。

近所のお花プロファイルは大切なエネルギー源。

 

柳も気が付いたもののうちのひとつ。

水辺に多いけれど幹が思っていたのとは違いしだれるようにはならないのもある。

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ゆらゆらする様は女性にたとえられるように美しい。柳腰。しなやかで強靭。

雌雄異体で、尾状花序、そして花弁はなく綿毛に覆われる花。

このたび初めて柳絮(りゅうじょ:綿毛を持った柳の種子が綿のように飛び散るもの)を見た。

 

ある朝、雲も風もない晴れた日

柳が連なって育っている河川敷全体がその空間そのものが、

白いふわ~~~っとしたものでおおわれていた。

なんかいつもと違う雰囲気、と思って歩いてみたが

時間の流れが低倍速になったかのように、

レコードの回転数がぐっと落ちたように、空間の動きが抑えられていた。

 

ドリーミーなその時をどうにもうまく言葉にできない。

ちょうど暖かくなり始めたころだったから

身体も緩んでいて時間軸を見誤ったような世界を体験した。

綿毛は上から落ちてくるのではなく天と地の間に散らばり浮いており

上下の間隔も危うくなるためこれぞウイローマジック!と

奇妙な高揚感に満たされた。

 

精神病と言われてる方々が春に落ち着かなくなるのがわかる気がした。

だれだってこんなお誘いを受けたら天にも昇る心地になるでしょう。

お花見で浮かれるのと同じ、植物の芽吹きと出芽の突き上げる力は

生命力にパンチをくれるのだから。

 

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柳絮は一か月以上続き、気合入れた仕事の朝もホンワカ気分で出勤できた。

風があるとビュービュー綿が舞い、こうして道路の隅っことかに集められてた。

結構なボリュームになるのでこれで巣作りしたら柔らかくて気持ちよいのではと思う。

 

 

夏草がうっそうと茂るサイクル&ランロードには

湿度がぐっと上がる季節、地虫が足の踏み場もないほど出てきて踏みそうになる。

殺生しないように気を付けなくては、と下ばかり向いてしまう。

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鳥たちも多種多様だ。

白鷺や鴨、鵜、鳩に雀に烏、鴬や百舌鳥、椋鳥に千鳥、尾長もつがいでいれば

ここ数週間でぐっと燕が増えた。

山と川に挟まれた立地のうちのアパートはでかい虫が増えてきて

それを掃除に燕が来てくれて嬉しい。

ちゅぴちゅぷちゅるる~と鳴いた後にギジギジギジと機械音をだす。

繁殖中の雄が鳴くそうだ。しっぽが長いのがイケメンの証拠。燕尾服だね。

 

冬鳥のカモ類、コガモマガモ、スズガモはもうあまり見かけない。

それだけでも冬が遠いように思えてくる。

アオサギ、シロサギ、コサギも見かけなくなったな。

真っ白な雪景色に10羽の白鷺を見たときは美しさに圧倒された。

細くて背の高い鷺たちは雪が似合うと思うのは丹頂のイメージだからかしら。

 

地味なメスの雉が2羽、草を刈る前の河川敷にいたときもあった。

きっとそばにカラフルな雄もいたことでしょう。だいたいカップルで居る。

ぎゅーん、となんとも形容しがたい声で鳴く。

ある時は不用意に近くにいた私に気が付いた雄が

文字通り「すたこらっサッサー」と駆け出して行った姿は微笑ましかった。

追いかけたら飛んだかな。あんなずっしりした雉も舞い上がれるのかな。

 

鬼無里ではヤマガラを教えてもらって野鳥のかわいらしさに胸を撃ち抜かれた。

野生なので飼えないけれどヒマワリの種を置いておくと来ると言っておばあさん。

ごくごく自然に一緒に住めるという感覚が愛しい。

 

そして野鳥って撮影が難しい。

 

 

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中野市芍薬が有名。

2019年でボラした畑に行きたいけれど今一つ場所の特定ができない。

生産者さんのお名前も頂戴しなかった(もらったのは無数のリンゴ)。

 

ゴージャスなこの方は立派にお花を咲かせるまで年単位。
しかも冬の凍てつく土を体験しないと球根は肥えないとか。

こちらではポピュラーなのかいたるところのお庭に咲いている。

花言葉は、「はじらい」、「慎ましさ」、とか。

色によっても違い、赤「誠実」白「幸せな結婚」ピンク「はにかみ」。

黄色は??

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ボタン(樹木)と似ているけれど、香りがあるのが芍薬草本)。

我が家にお迎えした子がえも言われる甘い爽やかな芳香を放っていてお線香を立てるのもためらうほど。

根が生薬として古くから使われている。

収斂、抗菌、鎮痛、消炎、止血、浄血、抗痙攣、とそれは有用。

 

お花の中でベスト5に入るほど芍薬が好き。

この季節に結婚式を挙げていたら巨大なブーケを芍薬でつくってもらっただろうな。

抱えきれないほど抱きしめてみたい。

花びらのプールにダイブしてみたい。

この香りをどうやったら精油やお香で再現できるだろう。

日本画を学びたいなあと思ったのも芍薬を描きたかったから。

 

一日中風雨の日でもこの子たちがいるだけでぱっと部屋が明るくなる。

悲しかったり嫌なことがあったという友のメッセージを受け取って、

芍薬を眺め香りをいただきながらやり取りをしていたら

花びらがほぐれるように友の心も和らぐ不思議。

 

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