together with global breathing

こころが動いたことを綴ります。永遠に地球が平和でありますように。

小さき麦の花

小さい麦の花がゆらゆら。

光の大本に向けただただ芽を伸ばす。

風に吹かれるように時代に身を任せざるを得ない二人。

 

農を生業にするヨウティエ。

不具合を抱えてきたクイイン。

 

2022年、中国からあまりに優しい物語が届いた。

英題がReturn to Dust

日本語副題では、いつか土に還る

https://moviola.jp/muginohana/#modal

 

 

労りとか想うとか

慮るとか捧げるとか

愛に代わる言葉や行為は数多ある。

 

「このロバは私より幸せなんだろうなって思ったの」

「ずっと見られてて恥ずかしかった」

 

言葉の無力を越え行き交う思いは

虐げられてきたという背景と孤立を

声に上げる必要もなくさせる。

 

土から産まれてくるあらゆるものを友に

卵から孵った雛を愛で

水を汲んだバケツからオタマジャクシを逃がし

荒れた土地を開墾しながら

季節とともに暮らしが巡る。

 

草で編んだロバはクイインの手作り。

色あせてもヨウティエを支え続ける。

 

三度も家を土に還した。

人が生んだ資本が間に入ろうと関係なく

生きることが繰り返される。

 

 

二人きりで

食べるもの、住むところ、

ロバや鶏という命を

育てていく様は

人間でありながら地球に住まう動植物たちと

同じ輪っかの中で生かし合っているように感じる。

 

大地に近い日常こそ

自然界と共生できる。

 

まっしろだったり

まっくろだったり

単一を極めたものごとは

循環の中で淘汰され純度を増していく。

 

地底奥深くに結晶化された鉱物や石油。

それらと同じ波でいられる意識を保てば

あらゆる感情に鈍麻していくだろう。

 

悲しみも怒りも無くなるけれど

喜びや感動も同じように。

 

翻弄されることが無くなる一方で

手放していくことも同じだけある。

 

天国で死なずに居続けるのって飽きるかもしない。

そう思うと

この世はとっくに極楽なのでしょう。