明日の朝早く、まだ陽の上る前
ぴたりと冬至を迎える。
射手座が秋から冬に空が深まるように明け渡す今日。
朝陽は真っ赤に空を塗り上げておはようとさようならを告げる。
霜が下りた芝の坂を上がって歩く。
寝ている間にバラバラになった
ワタシの分子を寄せ集め成形する。
各関節がミシミシと軋んで
高くなり始めた細い三日月すら見上げられない。
硬く乾いた山羊座の季節に身体も同調するのか
しなやかさを取り戻すまで足元に集中しよう。
「AFTER YANG」を鑑賞。
AIの進化は目覚ましいのだろうけれど
こころの在りかはどこか、いつも考えさせられる。
人間ってなに。
メタバースのことを知りたくて本を読んでいたこともあり
身体をおいて意識はどこに向かうのか、
どちらに進化のベクトルを定めていくのか
混沌の時期らしく答えがない問いを温め続ける。
感覚器について意識的に脳内再現したり
身体をより引き寄せて感じながらこころがどこにあるのか
歩きながら探してみる。
眼を見張るような鮮やかな映像美を見れるということ
映画館の外は明るいということ
坂本龍一の音楽で心拍数が下がるという感覚
大学生のおしゃべりが内容まで聞き取れなかったこと
粉雪が肌の上で溶ける感触
蕎麦屋から漂うゆで上がった香り
汁の味まで舌の上で踊りだしそう
手で抱きしめること
抱きしめてこれ以上ないほど近いのに
もっとその奥に入っていけるような
鯨が深海に戻っていく安堵感に似た
ひとつという意識
陰極まるとき
たっぷりと時間をかけて感じながら知りながら
境界をもっと超えて夢を見よう。
夢のような現実を。