together with global breathing

こころが動いたことを綴ります。永遠に地球が平和でありますように。

聖なる犯罪者

「聖なる犯罪者」鑑賞記録。

 

彼の罪は描かれていないけど途中で告白するシーンから

それは許されざることであると想像できる。

罪、その後。をどう生きていくのがいいのかわからなくて

救いを祈りに見出して仮出所先の工場に行かず

教会でついた嘘から信じられしまい流れで教主になる。

最後までドキドキさせられる。

どうかバレないでほしい、でもバレたときは堂々としててほしい、

そして信じる道を見つけて進んでほしいと願わずにいられない。

幸せになってほしいと思わずにいられない。

初めてミサを行ったときは予習してたけど

自分が刑務所で受けたことを提供する。

悲しみの遺族にする感情を表出させる手法も然り。

ムショにいた輩が金を要求するが結局ドラッグと酒しながら告解をしてあげる。

集めた募金や遺族からの遺品を寄付したり

懸念の目で見る人もいれば心を開いてくれる人もいる。

 

死にゆく人の手を取って「あなたは死なない」という。

そしてすぐに旅立つときのどうしようもできないという事実。

ム所をでた日は酒とドラッグと性の発露で弾けてたけれど

少しずつ人と関わり信頼されているという自信が彼を支える。

女と交わるときにお互いに対等に行為に及ぶ。いたわりがある。

こころが通っていないとできない。

 

やばて本格的にバレていく。

ドラッグと酒におぼれていた街の若者6人が運転する車と

夫婦げんかし拒否され死んでやるといった男が

事故で全滅するという事実を彼は表に出そうとして裏切られる。

できない背景は痛いほど伝わってくるけど

ここで信頼がゆっくりと崩壊していく。衣を捨てて出ていく。

主の恵みを願われて。

俺を売った、という男のいるム所に戻り報復と暴力。

どこが最も彼の安心できる瞬間だったんだろう。

 

救いは事故を起こしたのに祭壇になかった喧嘩した男の妻が

教会を訪れてミサに参加する。

それを遺族の女が軽くうなずく。

これは、あの話し合いやかかわりがなければなかった変化。

彼が作ったきっかけで生まれた変化。

そしてそのことを

彼は知らずに暴力の世界へ引き戻されたという哀しみ。

 

 

重いけれど

加害者支援について考えながら行動できないでいる自分に

また「それで人生終わってええんかい?」と問いかけられた。

命短し動いてなんぼ。

できることだけで終わりたくない。

 

 

 

この手の実は専門家じゃなかったという映画は

鶴べ~師匠と瑛太が演じてた「Dear Doctor」もそうだった。

どこかにラインがないと専門家じゃないとか

めちゃめちゃルーズな世界になってしまうのだけど

専門家じゃないからこそできることも無限にあるために

主観でなる世界はどこまでも自由で可能性に満ち

自分ですべてコーディネートできるものではないかと思う。

 

どこまでという枠、そこまでという制限、

安全だから気楽にいられる

無限だから緊張する

どちらも同じだけ大事。