二度目の春。
覚えている限り川べりの樹木に淡い緑のベールがかかることから始まる。
新芽も葉も幹の太ささえ変わらないのに
ほんのりと黄緑色の霞を被るように、呼応するように野鳥がベランダからいなくなるように
ひたひたと飛脚の足音で春は巻き戻さずにやってきている隅々に。
1月、熊本
年明けに訪問するとの約束もあり南阿蘇と抱き合わせて計画。
ボランティアでご寄付頂いたベッドやタオル、
誰にも活用されないのがあまりに心苦しく
せめてイベントで使ってあげたいと思い取りに伺った。
抗原検査などネガティブであっても隔離してこっそり施術を行った。
ご友人方々にお声をかけてくださり本当に感謝しかない。
お仕事をご用意くださりありがとうございました。
2016年4月14・16日、震度7にて大地ごと揺さぶられ6年目。
土砂で剥げた山々の樹木や緑もゆっくり成長している。
一時的に止まった湧水が復活したり阿蘇は噴煙をあげたり
地球が生き生きと絶え間ない活動を続けている。
愛すべき全てのいのち。
仕事は熊本城ホールでのイベント。
ミネラルマルシェさんにお邪魔してベッドを出した。
搬入からドライブから何から何まで友人には大変お世話になって
ここを目にすることはないけれど心からの感謝を。
仲良くしてくださっている石屋のきらりさん方々が来てくださりまた嬉しい。
お隣になったMAMEさんは柔らかい光源を持ち込み作品を演出。
細いマクラメ編は宝石の輝きをしっかりと支えていた。
またぜひお話を伺いたいと思ったアーティスト。
いつも元気をわけてくれる大楠にご挨拶と毎日のご報告。
毎朝お散歩をし、こうして会えるのが本当に嬉しい。
ちょうどイベントのあった週末にクラスターが市内が出たとかで
足を運んでくださる方は伸び悩んでいる様子でした。
しょうがない。ぼちぼちいこう。
2月、東京
4回目の参加になる浅草橋ヒーリングマーケット。
クライアントのお仕事とボラを合わせて計画。
朝いちのトリートメントを終えてベッドを芝公園から回収しタクシーを拾う。
それでも遅刻。出展者さんが整然とおられる中で準備を始めるのは緊張した。
ご予約の星読みもギリギリスタート。しかし白熱。
本日五つ目の用事のため冷や汗かきつつ早退。
お友達や以前からリピートくださっているお客様が来てくださった。
ベッドなんだね~と言われ相棒を鼻高々に紹介する。
そしてせっせとお仕事を喜びいっぱいで行う。
「あなた~上手になったんじゃない~。後ろに勢至菩薩がいたわよ~」
とか言われても可視化しません。でも見守りのありがたいこと。
日本トークセン協会で習いました、
おなじトクセン(木槌)を使っていますというカップルが来場。
まさか出会うとは!内心大興奮。すこしずつ周知できている。
東京での紹介はもう必要ないのかな、と寂しい気持ちにもなるが
次はいつ来るのと聞かれるとまた出展したいと思うのであった。
3月、兵庫
姫路に下りたち乾いた風が意外と冷たいのに驚く。
5時間以上かかるため前日入りをし浅草橋から配送していただいた物品の確認。
物が増えるのは本意ではないけど
有難いサービスにお世話になって元気を(元気に)届けよう!と思い立つ。
知叡さんとホワイトボードを運び出しセッティングするのに最も頭を使った。
出来たばかりの施設は机もアルミ製で軽いね~と。
確かに椅子もトイレも綺麗だ。でも高天井のため底冷えする。
カイロもお店では品薄。三寒四温の時こそ温かくしながら過ごそう。
ホテルで洗濯を始め一息つく。
カーテンを開けたらどーんと姫路城。
ぎょー。城はあまり得意ではない。
しかし周囲は桜や楠など樹木が茂りプチ動物園、神社や二重のお堀。
美術館、図書館、城郭研究所、公園には造形的な噴水やトイレ。
アートな雰囲気の広い城下、ぐるり散策は楽しめそう。
姫路神社参拝。ウオーキングにラン、通勤の人が行き交う。
長野の川べりでは見かけない水鳥が
寒さに羽を膨らませぬくぬく日差しを待っていた。
初日に昨年の神戸HMで出会ったヒーラーさんがおいでになり
その時のセッションを振り返ってみた。
どんどん綺麗になって活躍される一方で
力の制限・制御と「どこまで」の見極めの難しさに向き合っておられた。
こうしたらきっともっと善い、でも、、、
ジレンマをに耳を傾けつつ
こういうときはどこか決め打ちして応対する自分がいる。
それぞれの世界観を伺うのは視野が広がる思いとともに
価値観や教えられてきた内容の偏りにも気が付かされ
意識に昇らないものへのアクセスは時を待つしか手段がないのかな、とも思う。
しかし・・久しぶりに触れて間を開けずに吐き気に襲われた。
私も全然まだまだだということを教えられたのであった。
そんなこんな、考えたりストレッチしたり、べジカレーでゆっくりランチしたり
貝細工のお店を覗いたり、出展者さんと談笑したり、
二日目はまったりと過ぎていった。
帰り際に知り合いの石屋さんに声を掛けたら
「そうですか?僕は売れましたよ~。昨日よりずっといい!」
!よかったですね! …頑張ります。
シャー!気合十分で三日目を迎えた。
というかこの二日でゆっくりした余力もあり朝は1時間半以上の散歩。
心地よい疲労感を味わっていたのでそんなガツガツするつもりはなかったが
矢継ぎ早にお客様が来てくださり結果的に駆け抜けた6時間だった。
お片付けは自分のことで精いっぱいで
逆に手伝ってもらえてありがたかった。
出展者さん、いつも本当にありがとう。
基本的に、無心になってお身体と向き合える時間は大好きで
ぽかんと暇になるより何倍もいい。
でもなかなか気が落ちないので早々に帰宅す。
ライトアップ待ちの城をながめ自分に還ってくる時間を持った。
烏がこんな高いところまで飛んでくる。
あれは今朝見たつがいだろうか。
そのもっともっと高いところにトンビが旋回する夕暮れ。
このたびも来てくださった方々、受け入れてくださった方々、
姫路の大地、樹木、生き物、
お迎えと結びをありがとうございました。
こんな塩梅でお仕事していっていいかしら。
小さな挑戦を一年ごとにやってみているものの
一人で進めることの自信はあまりない。
誰かと関わり何かを介す、そこで生まれてくることを楽しむような
余裕がもう少し出るといいのだろうな。
内なる時間で肥やした世界から産み落とす創造を
交換しあえるような何か、できるといいな。
巡業はテレビを媒介に世の人がどんな情報にさらされているかを知る機会。
ザッピングしつつ、俳優がコメンテーターになっていて驚いたり
どんな人がどんなことに同意したり否定したり選択しているのか
斜めに聞き流してみている。
世界のニュースも見れるときは見ているけど
こんなに戦のことを取り上げている時期もないなあと感じる。
日本人記者が現地からダイレクトに報道しているニュースはあまりないため
CNN、BBC、など海外のサイト経由のもので流してみるが
両方の現実を同じ重さで報じるものはなかった。
中国のニュースにはほぼ無い。
パラリンピックがあるから?
いいえ、彼らにとってそんな大事なことではないのだ。
一方でこれからじゃんじゃん刷ればいいのだと言わんばかりに
お金の支援を申し出ている日本の政治家。
少子化で絶滅危惧になるのも時間の問題だというのに
存在しない未来から搾取しているようで気分が悪くなる。
そのまた一方で
目の前で家ごと吹き飛ばされた人のインタビューがある。
その人と同じ地域で
数年前に政治的支持が違うというだけで虐殺された記録がある。
代表ですという人たちが交わした約束を破り続け
身から出たさびという論調に同意する現地からのメッセージは
「やっと助けに来てくれた」と涙目で力強くいう若い女性から。
どんなニュースも
安全でお腹いっぱいになって眠れるここにいて全部を信じることはできない。
守護星回帰のうお座時代で信じられないという思いをもってして自分をつなぎとめようとする。
そこだけにしがみつけるものを見出そうとしている。
いかなる条件も思いつかないような環境においてきっと
知性もこころも委ねるということにそっと踏み出すのかもしれない。
でもどうしても、変わらず思うことは
どんな命にも生きて全うしてほしいということ。
オプションの変更はあっても
思いもかけず誰かを殺め、誰かに殺められたとしても、
その経過の中で生き切ってほしい。
力を見せつける選択が自由であればこそ
貴方の目の前にいる人からあなたを見てほしい。
堂々としたムクノキ。
美しく高貴で白い樹皮がその下に隠されている。
真実はすぐにはわからないし
きっとわからないままのこともたくさんあるんだろうと思う。